フィリピンと日本の比較(治安編)
僕たち日本人はフィリピンを治安の悪い国だと考えている。では、実際のデータはどうだろうか。
年間、殺人事件は約1.1万件(前年比約18%増),強盗事件は約2.1万件がそれぞれ報告されており,その件数は,殺人事件は日本の約13倍,強盗事件は日本の約9倍となります。
そう、相当悪い。殺人事件は日本の13倍。強盗事件は日本の9倍だ。フィリピンは日本の人口より18%少ないだけだ。中でも首都マニラの犯罪率は圧倒的な多さだ。マニラの人口10%に対してフィリピン全体の強盗と強姦はマニラだけで10%を超えている。
僕には、セブやダバオという違うエリアに住むフィリピンの友人が何人かいるが、彼らもマニラは危険だから行ったことがない。現地の人でも避けたくなるような場所だ。
しかし、マニラに2週間滞在した僕は一度も身の危険を感じることはなかった。確かに何度か、2倍〜10倍の値段を請求されたことは確かだ。それは、全て自分の詰めの甘さが原因だ。
例えば、マニラの空港を出てすぐのタクシー乗り場での出来事だ。
40代の色黒のフレンドリーなおっさんに声をかけられらた。
『Where are you gonna go,my friend?Are you Japanese?こんにちは、友達(^ ^)』
*写真はイメージです
いま思えば、ここに危険なフレーズが全て詰まっていた。フィリピンは治安が悪いことは知っていたので日本で事前に調べつくした。危険ナンバー1はタクシーだ。(このおっさんは怪しい)僕は無視することに決めた。
しかし、ガンガン話しかけてくるおっさんに少し気を許してしまい、10分ほど話をした。
「俺は日本が大好きだ。嵐やAKBも知ってるぞ、お前はどこに住んでるんだ?大阪か?東京か?俺もいつかお金を貯めて、家族と日本に行ってみたいぜ。見てくれよ、これが俺の子供だ、可愛いだろ?」
こんな話をしているうちにこのおっさんは悪い人ではないかもしれないと次第に思うようになった。そして
「どこに行くんだ?連れってやるよ。」
僕はすぐにNOと答えた、するとおっさんは何かの証明書を僕に見せた。これは、国に許可されたタクシーの証だとおっさんは言った。タクシーにもそのシールが貼ってあった。最近タクシーの犯罪が多いから、このような証明書ができたとのことだ。やはりこのおっさんは悪い人ではない。僕は確信した。
行き先を伝えると
「おー、かなり遠い場所だなぁ。もし行くなら4500円はかかるぞ、他のタクシーに乗れば少しは安くなるが、危険だからやめたほうがいい。少し高いけど俺は国のタクシーだから安心だろ?」
確かに1時間はかかる遠い場所だ。少し高くても安全ならいいか、僕は4500円を支払った。
しかし、これは全ておっさんの嘘だ。実際には国お墨付きのタクシーなんて存在しない。普通のタクシーに乗れば1時間600円くらいで移動できる格安の国、それがフィリピンだ。
実はこういうことはよくあり、みんな騙される。なぜなら騙そうとしている人間はみんないいやつなのだ。相手のためになることを短期間に、どんどん提供してくる。凄腕の営業マンだ。これについて僕は心底関心している。
そして恐らく僕たちがイメージする悪い人間はこうだ。
*あくまでもイメージです。
だが実際はこうだ。
*あくまでもイメージです
話を戻そう。
『Where are you gonna go,my friend?Are you Japanese?こんにちは、友達(^ ^)』
ここには注意すべきことが詰まっている。そして、このようなフレーズで話しかけてくる人間は、フィリピン人に限らず、東南アジアの途上国では必ず出くわす。注意すべきポイントを下記にまとめてみた。
- 話しかけてくる人は信用しない。
- 知らない人についていかない。
- 日本の言葉を話す人は要注意。
- 出会ってすぐにマイフレンドにならない。
- 現地の人の平均給与、相場を抑える。
ここに書いていることは小学生でもわかるようなことだが、免疫のない日本人はほぼ確実に騙されてしまう。日本とは全く異なる世界に来ている自覚を持つことを心がけたい。
ちなみにタクシーを使うときは、タクシー配車アプリのGrabを使用することをオススメする。あのソフトバンクも出資したことで知られているGrabは、ドライバーをユーザーが評価する仕組みや、専属のタクシーを持つなど、安全にはかなり考慮されている。料金は乗る前から予め決まっているので、ぼられる心配もない。フィリピンではUBERよりも使う機会は多いだろう。それでも完全に気を抜いて、後ろで居眠りするようなことはオススメできない。目が覚めたら人通りの少ない暗闇にいるかもしれない。
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